
(一社)大阪府産業支援型NPO協議会では、大阪府商工労働部の後援を得て:協働型ロボット活用「中小企業における導入と活用」をテーマとして関西一橋クラブにおいてミニシンポジュウムを開催しました。
そのプログラムのうち、3名の方による鼎談を行いました。
以下はその概要です。
当日の動画は次のURLを参照ください。→https://youtu.be/Az2J4W9O7sM
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参加者
NPO法人テクノメイトコープ 阪林一美
HKテクノロジー(株)代表取締役 高木祐
サンコー技研代表取締役 田中敬
商工労働部参事 林雅彦 (一部臨時参加)
司会者(米谷)
それでは、関係者による鼎談ということで、自由に話し合っていただきたいと思います。今日は、NPO法人テクノメイトコープの阪林さん、サンコー技研の田中社長、HKテクノロジーの高木社長の3人にお話しいただきます。まず、自己紹介をお願いします。

NPO法人テクノメイトコープ及び自己紹介
阪林

NPO法人テクノメイトコーポに所属しています。以前は装置メーカーで自動機の設計や制御を担当していました。産業ロボットについては多くの経験がありますが、協働ロボットについてはまだ勉強中です。テクノメイトコーポは約100名の会員と30名の学識経験者で構成されています。
司会者(米谷)
ありがとうございます。続いて、高木社長、会社の構成と自己紹介をお願いします。
HKテクノロジー及び自己紹介
高木
HKテクノロジーの高木です。電力会社や重工業系のお客様との取引がある会社で、主に3つの事業を展開しています。1つは環境ソリューション事業です。各種フィルターの製造やミストや粉塵対策の装置の開発を行っており、自社で生産しています。


もう1つはエンジニアリング事業です。お客様の要望に応じて、開発から設計まで行います。最近では、省人力や人口減少に伴う課題に対し、中小企業向けに自動化の提案をしています。自社でも協働ロボットを使った自動化を進めており、昼夜20時間の無人運転が可能です。

当社が自社生産ラインを持っており、ロボット導入における課題に対応できます。当社は製造業として異なる視点を持っています。

ロボット導入のポイントは、自社での運用です。外注してしまうと中小企業の多品種少量生産に対応できません。夜間にできる仕事を見つけ、生産工程を見直して自動化を進めることが大事です。
また、多用途利用にこだわっています。一つの仕事がなくなっても、ロボットは別用途で使えます。協働ロボットは自分たちで使うツールです。スマートホンのように、自分たちで用途を追加できます。
協働ロボットの導入事例は、中小企業の広報にも役立ちます。社内の良さを発信し、人を呼ぶこともできます。当社もどんどん発信を進めています。
ロボット時代に至る自動化の苦心
司会者(米谷)
どうもありがとうございました。それでは、鼎談を始めます。まず最も高齢の阪林さん、若い頃の経験についてお話しください。若い時に、もうもちろんロボットなんか出てくる前にいろんな生産性とか品質確保とか、 そういうものを個別に、色々追求さされてきたと思うんですが、その辺りを今、振り返ってみると、あれはあそこまで突っ込んでやったから今の物づくりの技術に活きて、それがロボットにも生かしていけているなと いうエンジニアの歴史と基本の在り方みたいなのを少し経験を入れて話していただけたらと思います。
阪林
どんな方法でもそうですが、生産するに際しての単体ではなく装置として 考える必要があるわけです。それと、いかにして生産効率を上げるかという課題に対し、ロボットを投入しても、ロボット以外にその周辺の機器というものは必ず必要なので、その辺りの設計の能力を身に着けていくのが、今後の問題としてなかなか難しいんじゃないかと思います。その能力と経験をうまいこと活かすことによってより生産性が上がるんじゃないかと考えています。

それで、我々、昔、産業ロボットですが、ティーチングが必要で、1番最初のものなかったもんですからね。私なんかのNC言語でずっと書いていたんですが、そのうちだんだんとティーチングが出てきました。
最初は手作業でやってたんですが、結構時間かかりますね。それで、ティーチングは大体 なんとかなるよね。ということなると、今度は、電気関連装置を現場で設置するわけですが、機械を設置し次に電気の仕事になります。
我々は電気の仕事でずっと配線作業をやってると、電気は結構忙しいわけです。それで、機械屋さんと接客とかの間で時間的な遊びが出ることになります。それで、じゃあ、そのティーチングのプログラムは、全部、機械屋さんにやってもらえばということになりました。
自分の機械だから、効率があげるようなティーチングを色々研究されると思いますんで、任すという、我々の仕事を少し 向こうへ預けたというような経験がありますね。
多種少量生産に対するロボット導入の工夫
司会者(米谷)
ありがとうございました。それでは田中社長にお聞きしたいんですが、田中社長のところは 中小企業とは言いながらも基本的にはユーザーに直接的に製品を納めるという 基本的には生産量というのは見えてる形態ですよね。ところが、世の中の中小企業の多くは2次下請け、3次下請けということで、自分で生産量を長期的、中期的にも決めるわけにはできないことがあります。
それと、稼働の問題で、産業用ロボットの特徴として、これは米国の自動車メーカーGMなんかも随分苦労したみたいですが、フレキシビリティがない、1度設定してしまうとそれはもう何年もその状態で使わなきゃいけない。それで、大量の投資が必要なので、今回の協働型ロボットが来るまでは専用ラインみたいなもの選んで、なるべく効率を上げるような形で採用、適用してきたわけですがも、田中社長の立場から見ると、 こういう仕事の量というものに対する、あるいはある日突然こう仕事が止まってしまうかもわからないと、いうようなことに対するこのロボット導入のあり方、協働型ロボットが中心になってくると思うんですが、考え方を披露していただけたらと思います。
田中

はい。当社も大量生産用に作った設備、ロボプレスの横にロボット座らせて 自動でやるっていう風にしたんですがも、1つ大前提が専用機にはしないようにしようというのがありました。
この加工しかしないっていうような専用機にすると、その仕事がなくなったりすると、もう全然使い物にならなりません。
当社は 基本がプレスやなんで、プレスの横にいるロボットはプレス加工ビジネスを廃業するまでは何かしら使えるということで、どんな品物が来ても 対応できるような、そこは専用機にしないっていうのを大前提に色々装置設計、システムを組み上げてます。
司会者(米谷)
ありがとうございます。そういう意味では、田中社長のところでは萌芽的なものが出てるんですが、 高木さんのところではしきりに今自分たちのもの作りのエンジニアリング を使いながら、できれば大きなFMSかというような生産の多様性、それから自分たちが今までやってきたことに対するフレキシビリティを上げるようなアプリケーションを考えておられるみたいなんですが、その辺りについてちょっと考えを披露していただけたらと思います。
ロボット導入に対するエンジニアリング
高木
例えばなんですが、いろんな工業の分野ではロボットというものの活躍に対しましてはイメージが付き合いやすいかと思います。
しかし、もうすでにこのロボットは多くのところに進出をしており、 専用のシステムを組んでいくというのもあります。例えば農業分野においてはいろんな適用が考えらます。
実はAIが一緒になってるというのはどういうことかと言いますと、ユーザー側がロボットの使い方がわかればもうAIでロボットを使えますということです。
AIのプログラムをしなくていいということで、写真を10枚ほど撮り、それを正とすると、他のものと対比をするのはロボットの仕事です。
まさしくiphoneとかスマホみたいな世界になってきております。
食品の話でば、焼き加減を判断するたこ焼きのロボットあります。焼いて、焼けた時の色加減なんかもこれ画像で見ることができます。
シンガポールの事例なんですが、バリスタロボットが動いています。 東京でもです。そういった形で、実は工業系のみならず様々なところで用途がございます。

現に、私どものどこの会社も、ラーメン屋さんから問い合わせが来ております。ラーメンの麺を打つのが大変なので、どのようにロボットを適用するかといったことも、少人数でやってる飲食店だからこそニーズがあります。
見るっていうことを、運ぶということ、それによって判断するっていうことはです、様々な分野を超えてやっていけるんじゃないかと思っております。
司会者(米谷)
田中社長にお聞きしたいんですがも、ロボットがたくさん入ってくると、これから 仕事につく若いエンジニアのあり方みたいな、 学ばなきゃいけない基礎的なもの、そういうものについてアドバイスがあったらお願いいたします。
ロボット導入に対する新入社員の反応
田中
ちょっと質問に対しては、逸脱するかもしれないんですが、その前段としてこんな状況があります。
若い理科系の子が新入社員として 入ってきてくれた。しかし、「なんやここロボット1台もない会社」と言いすぐ退職するっていう会社が多くあります。そういう見方なんです。
ホームページでは、立派な会社さんで儲かってる。「儲かっているのなら、現場で手作業をずっとやっているけれど、 なんでこれ自動化しないんだろう」という、そういう姿勢でも若い子ら見ています。

イコールそれに手をつけないってことは、テクノロジーを追求しない会社なんだなって、もう烙印を押されるという、そういう話をもうすごく聞きます。
まずそこが大前提。こうなってきますよね。それで、来てもらった人には、やはり ロボットは触らないとわからないんで、触って好きなことやりなさいっていうのが1番いいと思いますね。
現在のロボットは、AIを搭載して本当に簡単になってます。おっしゃられてたティーチングは全部プログラムでx軸y軸を 出さないといけませんから大変です。気が狂う作業なんですが、それが現在は本当にユーザーフレンドリーになって、勝手に走って、勝手に位置を出してくれる簡単な ロボットになっています。やっぱそれを触って面白がってやる現場の雰囲気です、それが1番大事だと思います。なんかこう、チャレンジさせるという。
司会者(米谷)
時間もだいぶ押してはきてはいるんですがも、高木さんの方から、今、産業分野として、農業とか、食品とか出てきましたけど、できれば、さらにもうちょっと突っ込んでです、説明していただけたらと思います。
3つほど種類が出てますけども、抽象的であってもさらにこんなことができるんじゃないかなというようなことがあったら、説明いただきたいなと思います。
多面的な分野でのロボットの導入の可能性
高木
はい。 基本的になんですが、実はこのロボット自体は、サーバーだとかの通信系と非常に融和性が高いんです。
ですので、現場で最適化ということではなく、その現場と、ロボットが移動する台車みたいなAVGとかAMRだとか、そういう台車と連携して移動するということもできます。 さらに、そのものが、通信して離れたエリアからそのオペレーションするということがもうできております。
私どものお客様の電力会社様ですと、今火力発電所は非常に少ない人でメンテナンスをしなきゃいけないということで、点検は無人になっています。
そう考えてみますと、あとは何をロボットの機能として持たせるかです。移動の手段ももう実は市販されております。
あとは、どういうルートで何をどのタイミングで吸い上げるのかといったことまでやってきますと、もう完全にリモートでいろんなものが進められるようになってきますので、そうしますと、 複数台のものを1人の方が、もう操ってしまう時代はもう来ております。
そういう意味で、あとはどのように我々が導入していくかの決意と、どうしたいかの効果を考えていくかがポイントになってくるのかなと思っております。
司会者(米谷)
ありがとうございます。せっかくの鼎談ですので、もし参加されてる方で「じゃあ、こういうことはどう思うんだとか、こういうことはどうなんだ」ということがあれば、遠慮なく手を上げて発言ください。
補助金で推奨されている雇用の創出とロボット導入の関連
会場参加者 (芳原)
私、補助金なんかをその中小企業が導入するときの支援を 中心にしております。その 補助金の観点から言いますと、特に経産省の補助金は、雇用の創出ということを条件、 給料を上げるということを条件という観点に立った補助金が多いのと、そういう意味から言って、今日のお話、どっちかというと人が減るという観点に立っているんですけれど、そういった国の政策に対して、このロボットの位置付けというのはどういう風にお考えになっておられるのか、そこをちょっとお聞かせいただければと思います。
司会者(米谷)
私どもよりも来賓でいただいている商工労働部の方からお答えもしできたらお願いしたいんですが。林参事お願いできますか?
林参事

はい。難しいお話ですね。考え方としては、補助金でロボットを導入することで 「実際 省力が測れる、同じ人数でより多くのお仕事ができるというような形で雇用創出できますよ。今までは制限されていたけれども、新しい技術は新しい開発をすることによって
より広く多く取り組みができる」っていうような書き方と言いますか、整理というような形になるんじゃないかなという風に思ってます。ロボットを導入することによって、当然、省力化、生産効率が上がりますんで、そこは人の数だけで見ると減るのかもしれないけれども、 別のところに使って、よりその企業として厚みを増すというような形になるんじゃないかなと思います。
日本人採用の困難さと外国人活用とロボット導入
司会者(米谷)
ありがとうございます。今、人が減るって言われてましたが、私の知ってる企業の中では、人が欲しいんだけど全く集まらない。だから、工場を工場長を含め全部ベトナム人で運営してるようなことすらあってむしろ中小企業の立場としては、自分たちの過去の業績をどうやって維持していくかということについては、日本人は集まらない、定年で人間はどんどん辞めていくということで、むしろ猛烈な恐怖感、危機感を感じておられるというような感じがします。
田中
今の話に繋がるかどうかなんですが、人がいないっていうことで、ベトナム人で生産を行うには、品質に不安を持つ企業は、そういうところで「自動化に取り組みたい、」「品質を安定化させたい」ということで、取り組まれてる企業も結構あります。 極端な例なるかもしれないんですが、今、大手さんに機械を1台買ってもらったんですが、そこは ベトナム工場向けです。ベトナム工場向けに高い価格の機械を買ってもらうんですが、ベトナムの賃金だと安いんで、人がやった方が早くて安いんですが、やっぱり品質が1番 で通常のやり方をベトナムやるのは怖いということで、今よりコストがかかってもいいから自動化したいという 取り組みが自動車業界メインで、話が多くあるあるみたいです。今までそれ感じたことなかった流れなんですが、そういったことも今起きてるなという印象です。
司会者(米谷)
ありがとうございます。それではです、時間もそうありませんので、阪林さんの方から、特にロボットに絡みながらです、こう若いエンジニアに 期待するものとか、こういう展望を持ってこう仕事をしていってほしいなという大先輩としての言葉をいただきたいと思います。
先輩技師からロボット時代の若者への言葉
阪林
私の場合、とにかく何でも見て、なんでもやってやろうということを信条にしてきました。だから、自分が 忙しいと、趣味もみな放り出して。問題が起こったらそれに突っ込んでいこうと いう気持ちはありました。だから、徹夜も何回もやりました。とにかく自分がこれは将来役に立つの立つなと思うようなことがあれば、嫌がらずに、わからなくても 知識を得ることが大事です。
経験から来る知識はすごいです。
デジタルの話が出てきますが、最終的には仕事はアナログです。
アナログのことはある程度知り、機械のことをある程度 知らないと、なかなか細かい設計とかの考えは出てこないと思うんです。だから、そういう点で、やっぱりなんやかんやと言いながら興味を持つということでね、そういうことが大事だと思います。
司会者(米谷)
ありがとうございました。それでは、最後に、高木社長の方から、 ロボットを1つの軸にしながら、言うなれば経営革命を志しておられるところもあるかと思いますので、そういう展望も含めて最後にまとめていただきたいと思います。
ロボット活用による企業経営の大幅な強化と伸長
高木
はい、ありがとうございます。スライド戻ります。私ども、お客様への情報の提供としましてまとめてるものなんです。

こちら、中小企業庁から出てるデータです。ブルーのものが売り上げ、そしてあとは、赤の方が、従業員の付属のDIで、青がどんと下がった瞬間に赤がぐっと減ってるということで、
それまで人が足らなかったものに対して、コロナで売り上げ下がって、人の需要は一旦いらないようになって、回復とともにまたそれが非常に一段とひどくなったという話 す。中小企業に対しても、年齢の層はどうなっているかというのは、これ総務省のデータでですが、企業規模が小さくなればなるほど、高齢の方の活躍の割合が高いというのが分かっています。
そんな中で 私どもが考えている1つ、ポジティブスパイラルというものは、自動化の検討をして業務の見直し等々をしていくことに始まり、いろんなロボットを入れることで、現場の意識が変わっていって、そして省人化、むしろ省力化で、人を減らすんではなくて、人でしかできないことに付加価値を持っていただくということかと思っております。
それによって収益性を高めて事業への投資への裕度ができ、その後の採用、ブランディングに使って競合、他社との差別化、それをまたリクルーティングやブランディングにどんどん使っていく、これを続けていくと、AIロボットの活用や様々なノウハウの蓄積、そして他の用途へ展開していくという、こういうスパイラーになるのではないかと。また我々はそれを実現していこうと思っています。

一方で、当社が避けたいこととしては、このネガティブフローは当社は避けたいと思っています。
これはどういうことかと言いますと、当社も深夜にも高齢者に活躍いただいています。
これがどんどん、高齢化していくと、じゃあ採用急がなきゃという話になるんですが、中小企業です。業務負荷が増える、なかなかそれに対応する採用ができない、業務負荷が増えるため社員は離職、また採用にお金をかける。あっという間に100万円ぐらい飛んでいきます。
そして収益性は下がる。これをずっとやっているうちに、ひたすら人が減って キャッシュがなくなるといったものになります。それで事業投資はどんどん困難になるだろう。で、ズバリ中小企業ですがも、私どもがこう思っています。

やっぱり経営側の方がどうやってビジョンを未来に向けて描いていくのか といった時に、少ない本当のコアのメンバーでどのように事業を継続していくかという中に自動化というのはどのように包み込んでいくのか ということですので、実はロボットの自動化というのは、技術者や製造部門にAIを進めろとかIOTを進めろではなくて、経営者がどのような技術やどのようなツールがあるのかといったものがです、 分からないとこのビジョンが生まれないんじゃないかなという風に思っていますので、皆様のいろんなご意見をいただいて、私もこの考えを広めつつ、皆様のお知り合いの経営者の皆様にも、経営者がITとか技術を知らないと現場は変わらないよということをぜひお伝えいただいて、この大阪界隈、日本全体が、ものづくり欲をまださらにアップできればなという風に思っております。
司会者(米谷)
どうもありがとうございました。