香りで夢と感動の『記憶』を作る                      

(株)シーナリセント代表取締役 郡香苗

以下は2023年10月17日、(一社)OSKグローバルビジネス・プロモーションにおいて行われたプレゼン内容です。

株式会社シーナリセント代表の郡と申します。創業四期目のベンチャーです。 私はもともと、匂いや香りを使った事業をずっとやってきました。 匂いや香りのイメージって、皆さんどんなイメージをお持ちですか? 多分、女性だと最初にアロマテラピーのような香りで、癒される、落ち着く雰囲気になるというイメージを持っている方が多いと思います。しかし、今からお話しする私の事業は全然違います。

当日の動画は次から→https://youtu.be/fephA-ruLhM

同社のwebは次から→https://sceneryscent.com/

<事業概要> 私たちは、香りや嗅覚を皆さんの生活やビジネスにどう取り入れるかという観点から、皆さんの事業を考えながらお話を聞いていただければと思います。 事業理念としては、「夢と感動の『記憶』を作る」というキーワードで事業を行っています。 香りは強く記憶に残ります。5、6年前にはエイトの「香水」という歌も流行りました。匂いを嗅ぐと、あの時付き合っていた彼女の香りや香水を思い出す、という内容でした。

漂ってくる香り、この頃ですと金木犀のいい香りがします。花の香り、美味しそうな匂い、なんとなくわからないけど懐かしい香り、昔の田舎のおばあちゃんの家の匂い。これらは、本当に何十年も前の記憶をフラッシュバックさせてくれます。 その記憶を基に、私たちは「夢と感動の『記憶』を作る」事業を行っています。 2019年の3月に法人を設立しました。 アライアンス先としては、匂いや香りと直接結びつかないような会社もありますが、私たちの一番の強みはエンターテイメント領域です。 資料にはユニバーサルスタジオUSJさんを表していますが、USJさんもお客様の一つです。

<嗅覚は大きな情報。サブリミナル効果がある>

これは皆さんに最初にご覧いただきたいグラフです。人の感情や行動に影響を与えるのは、視覚に次いで嗅覚が非常に重要です。目に見えないものは意識しづらいですが、嗅覚や匂いの情報は圧倒的な情報量を持っており、無意識のうちに臭いの情報が人間の頭の中にインプットされます。

何となくですが、美味しそうだと感じます。例えば、焼肉の匂いが漂ってきたときに、これは美味しそうだと感じ、「これを買って帰ろう」と思わせるような、人間の行動を決定づける効果があります。

また、嗅覚は0.2秒で脳に伝わるという特性があります。 嗅覚以外の感覚は水色の部分を脳に伝えますが、嗅覚だけはなぜかオレンジ色の部分にダイレクトに伝わります。嗅覚は人間以外の生き物すべてに備わっている情報伝達手段です。 そしてこの水色の部分は、人間が生きていく中で、動物よりも発達させてきた部分です。

つまり、嗅覚は生きる本能に直結し、サブリミナル効果として、さまざまな情報を吸収しやすくなります。何かわからないけれども、いい匂いがする、おばあちゃんの家の匂いかな、といったように、頭で考えることなくふと脳に伝わるのが0.2秒という速さです。これを利用して、私たちは嗅覚マーケティングという事業にシフトしています。

<香りと購買>

このデータは、都内のスーパーマーケットのカレー売り場のコーナーでカレーを料理している映像とカレーの匂いを一緒にスーパーの中で演出した際に、お客様の購買行動が最も向上したことを示しています。匂いがあるのとないのとでは全然違います。このような効果を検証する実験も行っています。

たとえば駅の構内にあるビアードパパのシュークリーム屋さんを前を通ると、甘い匂いがしてきて、思わずお土産に買って帰りたくなることがあります。551の商品にも同様のことが言えます。このように、匂いや香りは目に見えないけれど、広告宣伝ツールとしては強力です。私たちはこのような効果を活用して、匂いや香りのビジネスを行っています。

そこをビジネスとして活用していただき、売上のアップや集客効果の向上、エンターテイメント領域での没入感や臨場感を高めるためなど、さまざまな使い方をしていただいています。 したがって、私たちは単に匂いや香りを作っている会社ではなく、嗅覚体験を売る会社だと考えています。 最終的には究極の体験を通じてウェルビーイングを実現するというビジョンを掲げています。

<シーナリセントは香りビジネスの機器、香り、演出のトータルソリューション企業>

現在、香りテックと呼ばれるベンチャーやスタートアップが少しずつ増えてきていますが、私たちが最も強みとしているのは、まず香りを演出するための機材の開発を行っているハードウェアメーカーであることです。 そして、匂いや香りの製造も行っています。

香料を自社で製造し、機器と一緒に提供している企業はあまりありません。通常は別々の会社が行っていることが多いです。 さらに、最後には現場での演出技術があります。例えば、USJが私たちの機材を購入し、香料も購入したとして、ただ納品するだけでは終わりません。わざわざ演出現場に出向き、「機材をここに設置し、この香りを演出して」といったトータルでデザインを行っています。 これら三つのサービスを提供できるのは、当社だけの大きな強みです。

<機材の紹介>

それでは、具体的に機材を紹介させていただきます。 まずこちらの機材は、2018年、約五年前に開発してリリースしました。リリース後、約一年半が経過した時に、世界中でコロナが蔓延し、ライブイベント専用のエンターテインメント用の機材として開発されたため、三年間は非常に厳しい状況でした。

現在はようやく元の状態に戻り、多くの場所で使用していただけるようになりました。販売方法としては、販売代理店を通じての販売やレンタルも行っています。

次に、2番目の機材です。こちらはエンターテインメント用ではなく、マーケティング用です。先ほどお話したように、ビアードパパのシュークリーム屋さんの前を通ると、良い匂いがしてきて売上が上がるといった使用方法を想定しています。

現在、製造の最終段階にあり、もう少しでリリースできる状態です。

最後に、香りです。一つずつオーダーメイドで手作りしており、チョコレートやイチゴの匂いなど、食べ物や飲み物の香りだけでなく、さまざまな香りを提供しています。

「例えば二年前ぐらいに、蜷川実花さんと一緒にお仕事をさせていただいたことがあるんです。蜷川実花さんが監督を務めた映画『ホリック』のイメージに合わせてイメージフレグランスを作成したり、また芸大の先生と共同で、少しアート的な香りを作成したりなど、いろんな単純な香りからアーティスティックな香りまで、様々にお作りできます。そして、デザインをいただき、一からお送りするということを行っています。

<エンタメでの実績とお客様の反応>

エンタメ分野では、このような使い方をしています。 こちらは谷町四丁目のNHKホールでの実績の写真です。

『ヘンゼルとグレーテル』のミュージカルで、お菓子の家が出てくるシーンで「わあーっ」と客席に甘い香りを演出しました。キッズミュージカルなので、出演しているキャストの兄弟や家族も観に来ていましたが、瞬間的に甘い香りがして、非常に喜んでいただきました。 次にライドアトラクションです。これはテーマパーク内の一つです。

木の船に乗って冒険しているというシーンで、スクリーンに海の向こうの映像や山の映像が映し出されますが、それらのシーンに合わせて海の潮の香りや、戦闘シーンの煙の香りなど、さまざまなシーンに合わせた香りを演出します。

また、一番大きなシーンとしては京セラドームです。 京セラドームの広大な空間に香りを満たします。

先ほど紹介した機材14台で対応することで、このような大空間でも香りを充満させることができます。 このコンサートは、韓国のアイドルグループのもので、コンサートの中の一曲に合わせて香りを演出するということを行っています。

その曲に合わせたイメージで香りを作ってほしいというオーダーをいただきました。 これは、体感したエンドユーザーがツイッターに投稿した感想の抜粋です。 やはり香りは記憶に残ります。

たとえば、コンサートに行っても、「今回のコンサートの照明がすごく良かったね」「音響がとても良かったね」といった感想はあまりないかもしれません。しかし、香りは非常に記憶に残りやすく、お客様の余韻に深く響きます。そういった感想として、「あの時の香りを嗅ぐと思い出す」「あの香りを持って帰りたい」「あの香りのフレグランスを販売してほしい」といった多くの感想をいただいています。

したがって、香りはお客様がわざわざ足を運んでいただくための集客ツールとして、非常に強力なアイテムだと考えています。 実績としては、多種多様なエンターテインメントで使用していただいておりますし、商業施設でも最近では頻繁に利用していただいています。イオンモールさんや阪急阪神グループなどにもご利用いただいております。

「<販売、情報提供・看板型匂い機器の開発>

次に、現在開発中の機材についてご説明します。今回、皆さんにご利用いただけると考えている機材を最初にお話ししたいと思います。これは「鼻に届ける広告」として、匂いや香りの看板として使用できる機材です。 このイラストをご覧ください。例えば、スタバのいちごフラペチーノのようなイメージの広告がありますね。

その広告からイチゴとバニラが混ざった甘い香りが漂ってきたら、ふと「どのカフェに入ろうかな」と考えていた時に、いちごフラペチーノを注文しようと思うような導線を作る機材です。

この機材は人感センサーを内蔵しており、人の動きを感知すると、香りが瞬時にシュッと出ます。また、それはデジタルサイネージの映像に合わせて任意のタイミングで香りを放出することも可能です。 人感センサーを活用するか、映像に合わせて使用するか、どちらかを選んでいただけます。

この機材の特徴としては、左側のイラストが先ほどお話した機材で、新しく開発したものが右側のイラストになります。

違いとしては、大きな範囲に一気に香りを拡散させるのではなく、特定の人を狙って香りをピンポイントで放出することです。 なぜこんなに異なる機材を作ったかと言いますと、エンターテイメントでは多くの人に香りを楽しんでいただくことが目的ですから、広範囲に拡散しても問題ありません。しかし、商業施設や駅構内などでは、いくら良い香りでも好みが分かれるため、全ての人にとって良いとは限りません。そこで、周囲に影響を与えすぎないような機材を開発しました。 使用方法としては、匂いや香りの看板として最適です。

例えば、食品サンプルの棚に仕込んで、甘いクレープの香りを出したり、路面店の焼肉の看板の隣に置いたりすることが可能です。最近では、冷凍餃子の自動販売機のような場所にも匂いや香りを出して、お客様の注意を引くような看板として利用できます。

ユースケースとしては、デジタルサイネージと連動した観光PRや商品PRに利用いただいたり、店頭のポップアップ広告としても活用できます。現在は関電さんと連動して実証実験を行う計画が進んでおり、路上にデジタルサイネージを設置するプロジェクトに組み込むことも検討しています。

また、エンターテイメント分野での利用も可能です。

大きな空間だけでなく、カラオケボックス内で香りと曲を一緒に楽しんでもらうなど、さまざまな使い方が考えられます。

<将来構想:社会的アプリケーションへ> さらに将来的には、匂いや香りの看板だけでなく、嗅覚を活用したユニバーサルサインとしての利用も視野に入れています。

例えば、左側のイラストに示された新しい「うめきた」駅の改札は視覚的にもわかりやすいですが、匂いでの誘導が可能であれば、視覚障害のある方や身体が不自由な方にもさらにわかりやすい誘導が提供できるかもしれません。 また、現在は東京でしか見られないですが、駅のホームドアにサイネージが設置されており、これに匂いや香りを組み合わせることで、視覚的なサインに加えてさらなる警告を提供できると考えています。

そして、AEDの設置場所を示すデジタルサイネージにも香りを利用することができ、サインの存在を知らせる助けとなります。スマートガイドとの併用も考えられます。

IRが大阪に誘致されたことで、犯罪防止にも着目していかなければなりません。海外ではすでに香りを使った犯罪防止策が実験されており、日本でも目に見えない形でのサブリミナル効果として嗅覚を活用することに焦点を当てていただきたいと思います。 少々お時間を過ぎてしまいましたが、このアンビセントという新しい機材で皆さんの役に立てればと考えています。もし私たちの商材を使ってみたいと思われたり、ご紹介できるところがあれば、ぜひお話をいただければと思います。はい、では以上で発表を終わります。ありがとうございました。