当団体:OSKグローバルビジネス・プロモーションでは、ベトナムを中心に海外から来日して働いている方々の声を聞き、それを紹介し、中小企業の方々が人材を活用する一助となるように、企画を進めております。
前回は、豊中にある機械加工の企業を訪問し、工場長以下11人全員がベトナム出身であることを紹介しました。
今回は、飲食業界にスポットを当て、鉄板神社さんを訪問してインタビューを行いました。インタビューの結果は、鉄板神社さんのインバウンドビジネスの進め方、ベトナム人従業員の方の感想、ベトナム人の雇用を斡旋しているG-FACTORYさんの考えにまで広がりました。

<鉄板神社概要>
株式会社寿幸が運営する飲食チェーン店:鉄板神社を大阪の難波、梅田で展開しており、美味しい鉄板串焼きや鉄板焼き、そして心地よいホスピタリティーで、多くの国内外の顧客やリピーターから支持を得ています。

<G-FACTORY> 飲食店を中心としたサービス業を展開する企業への経営サポートと飲食店の運営を行っている上場企業。今回のインタビューに出てくる外国人財の紹介も行っています。
詳細は同社webを参照ください。→https://gf-works.com/hrm/
当日は下記に方々に参加願いました。

インバウンドの取り組み: 味と楽しさとホスピタリティー
(司会):それでは、鉄板神社の総括管理者、瀧伸哉さんにお伺いします。鉄板神社さんがインバウンドを中心に展開している取り組みについてお話しいただけますでしょうか。
鉄板神社さんでは、トリップアドバイザーの口コミに掲載され、インバウンド、つまり海外からのお客さんが増えてきたということですが、それまでは口コミやリピーターが中心だったんですね。口コミだけでは顧客確保には限界がありますか?
(瀧):そうですね。トリップアドバイザーに掲載されると、お客様が評価を付けますが、これによって評価が上がりました。特別なことはしていないんです。来店されたお客様に満足していただく、という方針を徹底しています。Googleなどの普及により、一挙にインターネットでの情報が広がりました。インターネットでの口コミが簡単にできるようになり、その評価がさまざまな国の方々に届き、お店に来ていただけるようになりました。
(司会)それは何年前ぐらいからでしょうか?
(瀧):トリップアドバイザーで取り上げてもらい始めたのは2017年ぐらいですね。コロナの直前です。厳しい環境の中、制限がある中でできる範囲で営業を行っていましたが、その中でもお客様が喜んでくださり、お客様の数が増えてきました。
(司会):トリップアドバイザーでエクセレントの高評価を受けていますが、大体、どのような意見が多かったのでしょうか?
(瀧):海外のお客様からは、「おいしい」という評価が最初にありますね。それに加えて、お客様を大切にする姿勢から、「親切さ」「丁寧さ」についての声も多いです。さらに、気軽に写真を撮ったり、オープンキッチンの形をとっているため、キッチンやスタッフと一緒に写真を撮ることで、日本の食文化の雰囲気と楽しさを持ち帰ってもらうということが実現しています。
(司会):インバウンドでは主にどの国の方々が多いのですか?
(瀧):アジア圏のお客様が大半を占めます。私たちはかなり以前から、海外のお客様が求めているサービスをきちんと準備しています。言葉の壁を超えるための翻訳メニューなどは今ではどこの店でも見かけますが、その頃はまだ一般的ではありませんでした。お客様がコミュニケーションが取れないという理由で店に寄っていただけないという時代でした。そこで私たちは英語、他の言語のメニュー表を写真付きで作りました。

例えば、当店自慢のメニューであるアスパラの豚巻など外国の方にも分かり易いよう、全てのメニューを写真付きにし、指差しでご注文できるようにしたことで好評を得ることができました。
(司会):そして、今日までの経営で特筆すべき、自慢できるポイントは何でしょうか?
(瀧):それは人、そして人間性だと思います。当店の一番の魅力は、お客様が店で出会う私たちのスタッフ、人間だと思います。他人を喜ばせることに特化しています。美味しい料理は、店を経営している以上当然のことであり、それにプラスαの価値を心掛けています。
(司会):リピーターの方が多いのでしょうか?
(瀧):はい、リピーターの方がほとんどです。私たちは一度来店いただいたお客様が必ず再来店してくれることを目指してきました。その努力は、海外の方々に対しても同様に行っています。当店のメニューは基本的に串焼きです。肉、魚、野菜を串に刺し、鉄板で調理します。外国の方々からは非常に高評価をいただいています。たとえば、昨日受け取った公開メッセージは以下の通りです。
「私はコロナが始まる前にこの店に訪れました。数年後に再度訪れて、最高のガーリックチャーハンを楽しんでいます。どの料理も非常に美味しく、何度でも訪れたいと思います。友人や家族にもおすすめしたいと思っています。値段は少々高めですが、美味しい食事が一日を豊かにすることを心から信じています。鉄板神社に乾杯!」
というものです。
ベトナム出身のウィンさん:日本に長く住みたい。 日本語が上手になるのには飲食業で働くのが一番。
(司会):ありがとうございました。次に、鉄板神社で働いているベトナム出身の女性リーダー、グエン・ティ・クィンさんにインタビューを行います。 クィンさん、ここで働き始めてから何ヶ月経ちますか?

(クィンさん):昨年の11月からなので、もう6ヶ月以上経ちます。とても働きやすい環境で、ここで働いていることに満足しています。以前は車の部品を作る工場で働いていました。
(司会):何がきっかけで飲食業界で働くことに決めたのですか?
(クィンさん):私は4年間工場で働いていましたが、人と話す機会が少なく、日本語が上達しないことに悩んでいました。生活する上で、日本語は非常に重要です。日本語を上達させるためには何をすればよいか、同僚に相談したところ、「飲食店で働くのが一番だよ」とアドバイスされました。
(司会):クィンさんは日本での仕事を終えた後、ベトナムに帰る予定はありますか?
(クィンさん):現在は、そういった予定はありません。まだまだ日本に住みたいと思っています。私の日本語能力についてですが、この仕事についてから大幅に上達しました。毎日少しずつ、上達しています。この仕事に転職して本当に良かったと思っています。
(司会):飲食業界で働くことで日本語能力が上達するメリットがあるんですね。工場では会話の機会が限られてしまいますし、図面を読むことは何とかなっても、人と話す機会がほとんどないので、日本にいる外国人のような状態になってしまいますね。また、使用する言葉も偏りがちになりますよね。では、ウィンさんがこの仕事を終えた後、ベトナムに帰国し、ベトナムで働くという計画はありますか?
(クィンさん):現在のところ、そのような計画はありません。私はまだ日本で新しいことを学び続け、経験を積んでいきたいと思っています。私の家族も私が日本で働き続けることを応援してくれています。
日本が大好きで、日本に住み続けたいと思っています。そのため、現在は特定技能2号の見直しを考慮に入れ、難しい試験に挑戦し、滞在期限のない資格を得たいと考えています。そのためには、日本語をしっかりと学ぶ必要があります。
ベトナムの人を追加で3人雇用します。採用のポイントは真面目さと笑顔です。
(瀧):現在、飲食サービス業界では特定技能1号の資格で滞在できる期間が最大5年となっています。私たちの企業では現在、ベトナムから3人の方を雇用していますが、さらに3人の方を追加で採用する計画があります。もし滞在期間の制限がなければ、さらに多くのベトナムの方を雇用したいと思っています。採用に当たっては、個々の人柄や能力を重視し、それぞれに合わせた評価を行っています。
(司会):松田さん、G-FACTORYでは、ベトナムの方々の仲介を行っていますが、何か特別な工夫をされていますか?
(松田):まず、雇用条件やお客様の希望をしっかりと把握した上で、適切な方を複数選び、紹介しています。最終的な採用は、面接を通じて判断されます。
(瀧):クィンさんを採用した時には、倍以上の人数の方と面接を行いました。
(司会):採用される際の決め手は何ですか?
(瀧):私たちは接客業を行っていますので、真面目さと笑顔が重要です。また、日本のホスピタリティーを理解しているかどうかも大切なポイントです。例えば、ある方は面接の際に「お世話になります」と挨拶し、お菓子をお土産として持ってきました。そのような方は既に日本の文化を理解しているので、採用を決めました。
ベトナム人の悩みは悩みを共有して一緒に解決。
(司会):ベトナムの方が日本という外国で働くと、悩みやストレスを感じることがあると思います。そういった時にはどのように解決していますか?
(クィンさん):そのような時は、一緒に食事をしたり、ショッピングに行ったりしてお互いに話し合います。また、近いうちに遊園地に行くことも話し合っています。
クィンさんの日本で働きたいベトナムの若い人たちへのメッセージ
(司会):これから日本で働きたいと思っているベトナムの若者たちへメッセージをお願いします。
(クィンさん):(通訳:ゴー・ティ・ヴァン・アインさん)日本に来ることを考えている方々へ、私からのメッセージがあります。私は、鉄板神社で働き始めてから6ヶ月が経ちます。現在の資格では滞在期間が限られていますが、それでも楽しい仕事と生活を送っています。職場ではみんながとても親切で、何でも教えてくれます。 日本で働きたいと思っている方々が、日本語を話すことができない、文化や習慣の違いにつまづくかもしれない、と心配しているかもしれません。しかし、その障害を乗り越えると、私が経験しているような素晴らしい職場に出会えます。勇気を持って、日本語を学び、日本に来てみてください。
G-FACTORYは食品サービス産業の「人」「もの」「金」の面からトータル・ソリューションを提供しています。
(司会):松田さん、今回のインタビューを通じて、G-FACTORYとしての食品サービス労働力等についてどのように考えられますか?
(松田):私たちの会社は、飲食サービスに関わるビジネスの経営や運営、出店支援、経営に関わるアドバイスやソリューションを提供しています。総合的なソリューションの提供を目指しており、それには「人」「もの」「金」のすべての要素が関わっています。今回のようにベトナムの方々を仲介するサービスは、近い将来、日本の飲食店やレストラン経営者が海外に進出する際の基本的な支援として位置づけています。現在、ベトナムで実施している海外展開支援がその具体例と言えます。
他の飲食店の経営者の皆さんへのアドバイス
(司会):本日はどうもありがとうございました。最後に、瀧さん、他の飲食店の経営者へアドバイスをお願いします。
(瀧):私たちは、現在3名のベトナム人を雇用しており、さらに3名を追加する予定で、合計6名になる予定です。特に注意するべきなのは、初めて外国人労働者を受け入れる時期です。ベトナム人の雇用者もまだ日本語を完全には話せず、また土地勘もありません。しかし、ウィンさんのような優れたベトナム人従業員を見つけることができ、彼女が新たに来る従業員の受け入れや問題解決のサポートをしてくれています。このようなキーパーソンを見つけることが、成功のカギだと思います。
また、新たに雇用する予定の人たちについても、前向きに取り組んでいくつもりです。私たちが提供できる支援があれば、どんなことでも積極的に行って、彼らが働きやすい環境を整えていきたいと思います。外国人労働者が増えることは、我々にとって新たな挑戦ですが、それぞれの国籍や文化を尊重し、一緒に成長していきたいと思います。
