工場は全てベトナム高度人材で運営。大阪の優良企業:大福鉄工所

(一社)OSKグローバルビジネス・プロモーション(GBプロ)は、(一社) 次世代型航空機部品供給ネットワーク(OWO)と広報関係で提携しています。         そのOWOの幹事会社である(株)大福鉄工所を訪問、インタビューを行いました。  同社は、工場をすべてベトナム高度人材で運営しているユニークな企業です。

同社のベトナム高度人材を活用しての経営についての紹介は、以下の通りです。

なお、同社のビン工場長にインタビューにはGBプロのハノイメンバー:ハー女史にオンラインで通訳を行ってもらいました。

インタビュアーはOWO野口顧問、GBプロ米谷代表理事です。

「大福社長へのインタビュー」

<野口>大福さんのベトナム人雇用で工場運営を行っていることは各方面から評価され、レポートされていますが、きっかけは何だったんですか?

<大福>25年ほど前になりますが、当社は、私が、初代から受け次いで会社運営をする中、従業員が高齢化し、新入社員を採用しようとしましたが、どこに頼んでも、ハローワークに行っても全く応募がありませんでした。そこで、仕方なくベトナムの高度人材、大卒の人間が採用できるのではないかと思い、PRに来た紹介会社に頼んで、採用したのがきっかけです。どうしようもない中で打った手段です。そのあと、ベテラン高齢者が順次、退職していく中でベトナム人従業員を増やしていきました。

<野口>今みたいな就労をベースにした10人の体制になったのは、いつからですか?

<大福>もう5年6年前かなと思います。オールベトナム人体制です。

<野口>今の就労体制での求人はやっぱり紹介会社を通して行っているんですか?

<大福>いいえ。今は、もう工場長のネットワークで採用しています。紹介会社を通すとかなりコスト、紹介料がかかるので直接ベトナムで人材を探し採用しています。工場長が現地で大学等のネットワークを持っているので、このネットワークの中で採用していっています。

<野口>分かりました。コストがかかるというのはどれくらいかかるんですか。

<大福>月4万円、3年間取られます。3年間の雇用を保証しないといけません。あといろんな手続きで最初50万円ぐらい取れました。

<野口>現状、ベトナム人10人ぐらいで運営されているんですが、日本人のベテラン高齢者がやっていた時に比べて、効率とか生産性とかに問題は出ていないんですか?

<大福>売り上げとしては2倍になっています。

写真をクリックすると工場の様子が見れます

<野口>ということは生産性が上がったということになりますね。

<大福>そういうことになりますね。逆に日本人のベテラン高齢者になると汎用機しか使えず、コンピューターとかに慣れていないから逆にコンピューターを使える部分、生産性が上がったんではないかと思っています。

<野口>成果という点で売り上げ二倍。同じメンバー人数で売り上げ二倍に上がったんですね。

<大福>よく残業しているからもありますね。彼らは残業を好みますね。頼めばいくらでも残業をしてくれます。

<野口>なにか困っていることはないですか?

<大福>そうですね。納期ですね。納期が遅れまくっている、そこが問題です。結構、短納期の仕事が多いからだと思います。納期に無理があっても何とか頼むといわれ、無理を承知で受けることが原因です。現場からは怒られます。絶対に納期が間に合うといいながら受けてもしまうから悪いんですけれど。

<野口>じゃあベトナム人だから納期が遅れるということではないんですね。

<大福>それはありません。時々は加工間違いがあり、それにより納期が遅れることはあります。公差が外れるとかのです。手直しが出てきますから。

<野口>ところで従業員に関することで今後の課題とか問題とかはどんなように感じておられますか?

<大福>日本人従業員はいい人材を雇えないので、ベトナム人材をどう継続的に確保していくかというのが課題です。彼らは賢いし、優秀です。外国人だからどうだ、とか言う必要はないです。

ただ、溶接関連にベトナム人を採用できません。溶接資格は、日本語でしか受験できないので、これが悩みです。

<米谷>現地で工場長がリクルートし、必要あれば大福社長が現地に赴き面接をされると思いますが、採用を決めてから何日ぐらいで日本に来れるようになるのですか?

<大福>ビザの申請手続きなどを入れて三ヶ月あればベトナムから来れます。なお、本採用でないとビザはおりませんから試用期間はありません。

<野口>ところで、今後の経営、承継はどうされるんですか?今、社長は何歳ですか?

<大福>66歳です。あと10年ぐらいは続けると思います。

<野口>そのあとどうされるんですか?家族には、承継する人はいらっしゃらないようですが。

<大福>工場長に譲るのも一つの選択肢です。日本国籍を取るとも言っていますし、家も買うとも言っていますので。

M&Aの話も検討しましたが、評価と条件が合いませんでした。

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「ベト工場長へのインタビュー」

<米谷>それではベト工場長へのインタビューを始めます。

通訳は、ベトナムのハーさんで、オンラインで参加です。よろしくお願いいたします。

<ハー>よろしくお願いいたします。

画像をクリックすると通訳を介したインタビュー動画を見ることができます。

<米谷>ベト工場長さん、本日はインタビューにご対応いただきありがとうございます。

最初に工場長の出身地を教えてください。

<工場長:通訳>ベトナムの中部のハティン省で生まれました。大学はヴィン技術師範大学を卒業しました。学科としては機械、IT自動車工学、電気、溶接などがありましたが、私は、機械学科を出ました。CAD/CAMを使った設計実習、工作機械を使った実習などを学びました。

こういう工作機械を扱う学生が日本に来たがっています。

<米谷>工場長はこの会社で長く勤務されていますが、一緒に働いていて、その後この会社を退職してベトナムに帰った仲間は、今ベトナムでどんな仕事をしているんですか?

<工場長:通訳>勤務は8年以上になります。帰った人間は縫製の会社を立ち上げ、経営したり、エンジニアリングに関係する会社を立ち上げたりすることとかあります。多くは、日本と関連する仕事についています。言葉と技術と両方を持っていますから。

<米谷>工場長は日本で、こういう職場で働くことに対してハッピーだとかラッキーだとか感じる点はどんな点ですか?

<工場長:通訳>工場長という責任ある職責にありますので頑張っています。仕事も忙しいのでやりがいがあります。ただ、忙しい分、家族の面倒があまり見れないのが悩みです。

来週、妻と子供がベトナムに帰りますが、私は、4日間しか帰れないという悩みがあります。

(注)子供は、男子で学校は通常の日本人と同じ学校に通っているそうです。

<米谷>工場でベトナムの人たちがたくさんと一緒に仕事をされていますけど、ベトナムの方の中でもいろいろ意見が違ったり、指導の仕方についてベトナムの若い人がクレームしたりすることがあると思うんですけども、そういう時はどうやって解決されているんですか?

<工場長:通訳>いろいろ意見の差あったり、不満あったりします。解決の方法は、ベトナム的なやり方ですが、飲み会をし、柔らかい雰囲気で、ストレス解消に努めたり、説得したりしています。個人的な相談もこのような方法で解決しています。

例えば家族に何か用事があるとかの場合で対応できなくなると仕事に集中できなくなるという問題が出てきたケースがありましたが、他の人にその日だけは代わりに仕事を担当してもらうとかの解決を図ったことがあります。

厳しい話としては、例えばベトナムの家族は病気になったとか、子供が事故にあって手術をしなきゃいけないとかで、多額の金額がかかるため仕事に集中できなくなっているという例がありました。このようなときに相談、アドバイスをしたりしました。

<米谷>工場におけるあの新しくベトナムから来た人のあのこう常に訓練はどんな形であのこうどれくらいの期間あの工場長はしてるんですか?

<工場長:通訳>三か月から六か月間は指導します。私、工場長だけではなく周りの協力も得て指導しています。

<米谷>新入のベトナム人従業員に仕事を任せてもいい、一人で機械を扱わせてもいいという判断は工場長の判断によってですか?

<大福>ベトナムから来た人たちが教育トレーニングを受けて、もう自分ひとりでも仕事をしていいよと言う判断は、工場長の判断を中心にして決めます。

<工場長:通訳>社長の言われた通りです。その指導、訓練の後、仕事を任せることができないようだったら、私たちの会社を辞め、他の会社を探すようにアドバイスします。

<米谷>技能に関する話はよく分かりました。ところで、工場は狭くて安全上の注意は大変でしょうけれどどうやって注意喚起をしていますか?

<工場長:通訳>仕事が始まる前、終わった後、小さなミーティングで話しています。とりわけ安全帽の着用についてはうるさく言っています。

<米谷>最後になります。工場長は今後日本に来たいという気持ちを持っているベトナムの若い人たちにメッセージをお願いします。

<工場長:通訳>技術的なことを勉強することはもちろんですが、やはりコミュニケーションは重要なことです。私の日本語もまだまだですので勉強しています。もし日本に行きたいということだったら日本語をしっかり勉強してください。

<米谷>いろいろお答えいただきありがとうございました。ベト工場長、通訳のハーさんどうもありがとうございました。大福社長もどうもありがとうございました。

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インタビューのあとの、大福社長、インタビュアーの野口さん、米谷との懇談内容です。

<野口>社長に伺っていいことかどうかはわからないんですけれど、ベトナムは北から南まで長いですよね。それで全国で教育レベルとか気質とか同じようなんですか?

<大福>やっぱり南はちょっとレイジーだとかがあるようです。

<野口>それでは北のほうの人を中心に採用されているんですか?

<大福>いいえ。北も中部も南もいろいろです。出身とは関係なしに候補を上げ工場長が判断しています。外国人の場合は、試用採用ではビザが出ないので、一度本採用し、現場で働いてもらい、適性がなければ、説得して辞めてもらいます。工場長が判断します。辞めてもらい他の会社を紹介するのは、工場長がやっています。

<野口>年収はどのぐらですか?

<大福>日本人と同じぐらい払っています。ベトナムの人にしたら高いです。

<野口>ベトナムの若い人へのメッセージは言葉の問題を言っていましたね。

<大福>本人ができないで悩んでいるからです。聞くのはよくわかるようです。図面の漢字もある程度理解します。

<米谷>工場長の出た技術師範大学のレベルはどんなものですか?

<大福>ひょっとしたら日本のレベルより書かいかもしれません。

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(一社)OSKグローバルビジネス・プロモーションでは中小企業のベトナム展開の支援を行っています。気楽にご相談ください。

なお、本記事中にあるようなオンライン通訳のサービスも行っています。