工事は幸事!建設業をサービス業に 池内工務店

明石にある株式会社池内工務店は池内社長の理念のもと従業員の仕事観、達成感を高揚させ顧客に当たられています。(一社)OSKグローバルビジネス・プロモーション(GBプロ)では、同社池内社長をお迎えし、その理念と実践をお話しいただきました。

以下がその概要です。

当日の講演の動画です。→https://youtu.be/Dj6RbntEhls

同社のWEB→https://www.ikeuchi-koumuten.co.jp/

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

池内工務店 プレゼンテーション

皆さま、初めまして。明石から参りました、池内工務店の社長、池内でございます。どうぞよろしくお願いいたします。​本日は、私ども町の工務店が取り組んでいる新しい視点での販路開拓についてお話しさせていただきます。​

建設業はサービス業

まず、池内工務店についてご紹介いたします。​弊社は昭和24年に創業し、昨年10月に75周年を迎えました。​今から24年後の令和31年には100周年を迎えることとなります。​その際には、現在の新入社員が会社の中枢を担っていることでしょう。​そのため、若い人材の積極的な採用に努めております。​

こちらは昭和24年当時の建設業登録看板です。​歴史を感じさせる書体が使われており、創業時の思いが伝わってきます。​この「池内房定」というのは私の父で、私は三代目にあたります。​ただ、「三代目は会社を潰す」という言い伝えもありますので、二代目半として頑張っております。​

建設業への思い

建設業は、生命と財産を守ることが使命であり、お客様の顔が直接見える数少ない製造業です。​お客様の夢を叶えるサービス業であり、形になる様子を見ていただけるエンターテインメント産業でもあると考えております。​この考えのもと、「お客様に見せる仕事」「人に見せる技術」「社会に見せる品質」という経営理念を掲げています。​

建設業のサービス業化

建設業は、重層下請構造であり、日雇いの仕事が多いなど、必ずしも志の高いものばかりではありません。​一つの現場に対して、工程ごとに業者や職人が入れ替わり、部分ごとの仕事となるため、完成形がわからないまま作業を進めることもあります。​そのため、工事が目指すところを周知させる必要があると考えています。​

具体的な取り組みとして、工事看板やイメージシートを誰もが見やすい場所に掲げ、工事の目的や進捗を明示しています。​また、工事工程表などをテーマにブランディングを行い、社員への意識付けを図っています。​

建設業の社会的印象と人材不足

日本の産業を牽引してきた団塊の世代が引退し、少子化による新規採用が難しくなる中、建設業で働く人の減少が顕著になっています。​建設業は「きつい」「汚い」「危険」のいわゆる3Kと長時間労働という印象があり、採用環境が厳しくなっています。 ​

また、実際の現場では、社会からの印象を変える必要があると感じています。​例えば、明石商業高校の企業見学で、建設産業の社会的役割を説明した際、生徒から「最初は怖いと思っていましたが、それほどでもなかったです」という感想をいただき、ショックを受けました。​次の世代を担う高校生が怖い印象を持っているということは、その親御さんも同様の印象を持っていると考えられます。​このような状況では、建設産業に入る若い人が少なくなるのも無理はありません。​

建設業のイメージ改革

建設業の社会的印象は3Kと言われていますが、私は「怖い」を加えた4Kであると感じています。​この「怖い」印象は、社会から近寄りがたく映っており、多少割高でも有名住宅メーカーや大手デザイン事務所に依頼が集まる一因となっているのではないでしょうか。​この状況を払拭しない限り、建設業の印象や若者の入職の減少は改善しないと考えています。​

社会からの印象を変えるためには、建設業界自らが変わる必要があります。​例えば、テーマパークのスタッフが暑い中でも笑顔で対応しているように、建設業界でもお客様に夢と感動を提供する姿勢が求められます。​お客様は夢を抱いて家を建てます。​その期待に応えるためには、我々がワクワクドキドキするようなサービスを提供しなければならないのではないでしょうか。​

建設業のサービス業化の必要性

建設業は究極のサービス業であり、エンターテインメント産業であると考えています。​三つ星レストランが料理だけでなく、清潔な雰囲気やマナーの良いスタッフが揃ってこそ評価されるように、建設業も清潔な現場や礼儀正しい姿勢が価値として判断されます。​そのためには、考え方や認識の変革が必要です。​

人材育成とマナーの重要性

建設業が「クレーム産業」と呼ばれる背景には、主に「人」に起因する問題が多くあります。
労働災害やヒヤリハット、社会的に「怖い」イメージが定着してしまっているのも、すべて「人」の振る舞いが原因です。

サービス業でいう「品質」とは、まさに「人の質」によって決まります。
いかに技術が高く、経験が豊富でも、横柄で傲慢な態度では人の信頼は得られません。

私たちは、社員に対して「接客マナー」を含む研修を実施し、「気配り・目配り」を徹底するよう指導しています。

それによって、不安全行動が減り、整理整頓が行き届き、危険箇所への配慮が生まれ、改善行動も自発的に生まれます。結果として、「きつい・汚い・怖い」が自然と解消されていくと考えています。

ハイブリッド型建設企業の誕生へ

建設業とサービス業の融合が進めば、「ハイブリッド型」の新しい建設会社が誕生すると信じています。
それにより企業価値は自然と向上し、持続可能な社会の実現にも貢献できるはずです。

私たちが目指すのは、単なる「品質の良い施工」だけではありません。
「設計図通り」の仕上がり(半製品の品質)、長期的に快適に住み続けられる(使用品質)、
そして「人の質」による気持ちの良い現場づくり(施工品質)の3つを兼ね備えた会社です。

現場での実例と取り組み

実際に私たちが施工した現場では、例えばトイレ改修工事の現場に
「工事内容」「工程表」「職人の紹介」などを掲示し、誰でも状況が分かるようにしました。
これは地域住民への安心感につながり、信頼の構築にも役立ちました。

さらに「建設業のサービス業化」に向けた社内研修も実施しています。
マナーやコミュニケーション、現場対応力を高めることで、クレームややり直しが減り、環境に優しく、労働災害も減少しています。

また、現場の印象が良くなることで、協力業者や新しい人材も集まりやすくなっています。
結果的に「品質・安全・原価・工程」のすべてが好循環に入り、SDGsにも貢献できています。

“区別化”によるブルーオーシャン戦略

多くの企業が「差別化」を追求していますが、同じ土俵での競争は限界があります。
私たちは「サービス業との融合による区別化」によって、競争のない“ブルーオーシャン”へ進もうとしています。

その取り組みが評価され、昨年は国交省の外郭団体「建設経済研究所」のレポートにも
「地域の新しい建設業の試み」として、全国6社のうちの1社に選ばれ、掲載されました。

言葉の力と企業の未来

最後に、私は言葉遊びが好きで、こんなフレーズを作りました:

「気づくことは“築く”こと。良好な関係を築けば、良い“建築”が生まれる。」

また、
「持続可能な社会は、持続可能な会社から。」
そして裏返しても、
「持続可能な会社は、持続可能な社会から。」

このような考えを大切にしながら、私たちは建設業の未来を明るく、誇れるものにしていきたいと思っています。

本日はご清聴、誠にありがとうございました