日本市場・海外市場への挑戦
―元・海外本部長が語る、ものづくりと市場のリアル

はじめに:自己紹介と本日のテーマ

みなさん、こんにちは。
本日はお時間をいただき、ありがとうございます。
私は 藤英正と申します。中国Cozy(コージー)社の顧問です。元・海外本部長で当時海外事業を担当しておりました。
出身は台湾で、これまで中国、日本、東南アジア、欧米向けのいろいろの分野の事業に長く関わってきました。
今日は、
「Cozyという会社は、どういう考えで成長してきたのか」
「なぜ日本市場を重視してきたのか」
そして
「これからどこにチャンスがあると考えているのか」
こうした点を、できるだけ現場の言葉でお話ししたいと思います。

まずは会社概要からお話しします
最初に、Cozy社の概要を簡単にご紹介します。


Cozyは、中国の住宅産業の近代化を目的に、2006年に設立された会社です。
本社は中国・安徽省蕪湖市の新蕪経済開発区にあります。

事業の中心は、
ユニットバスをはじめとするプレハブ型の内装部材の製造です。
設立以来、
「住宅を工場でつくる」
「品質を安定させ、工期を短くする」
という考え方を一貫して追求してきました。

これまでに特許は219件申請しており、そのうち
- 157件はすでに登録・維持
- 62件は審査中 です。
また、中国国内では、
- 国家住宅産業化基地
- 国家プレハブ建築産業基地
- 国家ハイテク企業
- 安徽省 建設産業近代化モデル基地
といった認定も受けています。
品質面では、
国際的な品質マネジメントシステム・環境マネジメントシステムの認証も取得しています。
さらに、中国国内や地方の建築関連標準の策定や、研究プロジェクトにも長年参加してきました。
実は「日本のユニットバス」が出発点でした
ここで、少し正直な話をします。
Cozyのユニットバスは、最初から日本を強く意識してつくられました。
日本では、家庭でもホテルでも、ユニットバスは当たり前ですよね。
品質が高く、施工も早く、耐久性もある。
中国では当時、そこまで完成度の高いユニットバスは、まだ一般的ではありませんでした。
ですから私たちは、「日本の製品を徹底的に研究する」ところから始めたんです。
言い方は良くないかもしれませんが、最初は真似からスタートしました。
しかし、ただ、単にコピーするのではなく、
- なぜこの構造なのか
- なぜこの寸法なのか
- なぜこの施工方法なのか
そこを一つ一つ分解して理解していきました。
中国市場で一気に拡大した理由

その結果、どうなったか。

中国国内では、
不動産デベロッパー向けにユニットバスの需要が一気に広がりました。
現在、Cozyは
中国国内で70%を超えるシェアを持っています。

主な顧客は、
- 大手不動産デベロッパー
- ホテル
- マンション
- 病院
- レジャー施設
こうした分野です。

工場は中国国内に複数あり、
一時期は年間30万セット以上の生産能力を持っていました。
ここ2年ほどは景気の影響もあり、稼働率は落ちていますが、それでも規模と設備力は大きな強みです。
海外展開で最も重要だったのは「日本」
海外市場についてお話しします。
現在、Cozyの製品は30以上の国と地域に輸出されています。

その中で、一番大きな輸出先は日本です。
次いで、
- オーストラリア
- アメリカ
- 東南アジア(特にマレーシア)
- 中東
- 最近ではインド
と続いています。
なぜ日本が一番重要だったのか。
それは、日本市場で使われる=世界基準になる
と私たちは考えていたからです。
日本企業とのOEMが大きな転機でした
2011年頃から、日本の住宅設備メーカーやビジネスホテルチェーン向けに、
OEM供給を本格的に始めました。

これまでに、累計10万セット以上を日本向けに出荷しています。
特にビジネスホテル向けの案件は、私たちにとって非常に勉強になりました。
理由ははっきりしています。
- 工期が短い
- 寸法が厳しい
- 品質要求が明確
- しかも数が多い
日本のビジネスホテルは、1棟あたり150~250室程度が多いですが、工期は非常に短い。
早いところでは、工事完了からすぐ営業開始します。
このスピード感は、中国の不動産案件とはまた違う厳しさがあります。
日本と中国の「入浴文化」の違い
ここで少し文化の話をします。


中国では、シャワー中心が一般的です。浴槽がないユニットバスも多い。
一方、日本では、
- 椅子に座って体を洗う
- そのあと浴槽に入る
という独特の習慣があります。
この違いは、設計に大きく影響します。
さらに、日本ではとにかく狭い。
特に都市部の古いアパートでは、
- 幅1メートル程度
- トイレとシャワーを分ける
- 既存建物を壊さずに入れ替える
こうした条件が当たり前です。
正直に言うと、
「相撲取りは入れないな」と思う寸法もあります(笑)。
リフォーム市場で見えたビジネスチャンス
日本市場で特に面白いと感じたのは、
賃貸住宅・アパートのリフォームです。
高級品である必要はありません。
- 使える
- 壊れにくい
- 施工が早い
- 値段が合う
これが一番重要です。
実際、ある施工業者さんは、Cozyの製品を使うことで、
- 1日2セット施工
- 月に100万円以上の利益
というケースもありました。
親方クラスになると、月に1,000万円単位になることもあります。
中国市場だからできた大胆な投資
質疑応答でよく聞かれるのが、
「なぜそんなに大きな工場投資ができたのか」という点です。
答えはシンプルです。
マーケットの大きさが違う。
日本では、
1案件100~200戸が普通ですが、
中国では
1案件で3万戸ということも珍しくありません。
このスケールがあるから、
- 金型に投資できる
- 設備を一気に入れられる
- コストを一気に下げられる
ということが可能になります。
最後に:日本企業へのメッセージ

最後に、日本の皆さんにお伝えしたいことがあります。
Cozyは、日本のものづくりから多くを学びました。
一方で、
- 価格
- スピード
- 割り切り
こうした点では、中国企業ならではのやり方もあります。

これからの時代は、どちらが正しいかではなく、どう組み合わせるかだと思っています。
もし、
日本市場、アジア市場、リフォーム市場で何か一緒にできることがあれば、
ぜひ声をかけてください。
本日はありがとうございました。
